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デリバティブ取引
日本語に直訳すると金融派生商品といわれるものです。様々な商品があるようですが、一般的には価格変動による企業の収益減少や費用増加などのリスクを回避する手段として金利スワップ、通貨スワップ、原油スワップなどが利用されています。

要注意なのが原則としてデリバティブ取引を行った場合、事業年度の終了時に未決済デリバティブ取引があるときは、その時において未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして算出した利益、損失の額はその事業年度の益金、損金の額に算入する(法61の5①)ことになります。つまり未決済の部分について期末時点の時価で評価がなされ評価損益が課税の対象となります。

同じ金融商品としての売買目的有価証券が時価評価課税される根拠に、売却することについて事業遂行上等の制約がないつまりいつでも売れるという点がありますが、デリバティブについては通常契約期間の定めがあり原則として中途解約ができません。それでも上記法令に縛られ事実上税金の前払いとなります。(通期では所得に影響を与えません プラマイゼロ)

但し時価評価課税を回避する手段として、繰延ヘッジ会計というものがあります。これは一定の要件を満たす場合には上記利益、損失をデリバティブ取引終了時まで繰り延べことができる会計処理です。購入時と購入後の慎重な対応が必要になります。

実はこの話は先日の税務調査で争点となりました。また近年の税務調査において評価損益の計上を指摘されるケースが多発しているとのことです。私個人的には未実現利益に対する税金の支払いが発生しますので税務上の詐欺取引と考えています。デリバティブ取引は一般常識的感覚からはなかなか理解納得しにくい制度のため上場企業をはじめ国税不服審判所に多数の審査請求が提起されていますが、そのほとんど(全て)が主張を棄却されています。

デリバティブ取引は企業の資金的リスク管理に非常に有用な手段ではありますが、企業や我々職業会計人は税務上の取り扱いに十分に注意を払わなければならないと考えます。
「デリバティブ何もしないと時価課税」 皆さんもし事例がでてきたら注意しましょう!


楢原事務所 清水孝紀




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【2009/05/27 01:57】 | 未分類 | page top↑
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